現在、巷には口腔ケアグッズや情報があふれています。
TVや雑誌では頻繁に虫歯や歯周病の特集が組まれますし、東急ハンズやロフトの歯ブラシコーナーには、歯科医である私ですらどれを選んで良いか迷う程多種の歯ブラシ、歯間ブラシ、糸ようじ等が販売されています。
にも関わらず、日本人の口の中は先進国の中でもかなり悲惨な状態です。
歯科医師会が掲げている「8020運動」というのを聞いたことがありますか?
「80歳になった時に20本の歯があるようにしましょう」という目標です。
実際に米国や北欧ではとっくに達成されています。不可能な目標ではないのです。
しかし日本の現状は80歳で10本以下です。悲惨でしょ。
統計のことはさておき、今これを読んでいる貴方にだけは「8020」を達成して欲しいと思います。
では、どうすれば良いのか?
「ちゃんと歯を磨きなさい」「半年に1回は歯医者で検診を受けなさい」なんて言いません。
まずご自分の口に少しだけ興味を持ってください。
貴方は御自分の体重、身長、血液型はご存知ですよね。では、歯は何本はえていますか?
詰め物をしてある歯は何本ありますか?
ご存知ない方が大半だと思います。
鏡で見て数えてみてください。ついでに見える部分だけでも少し詳しく見てください。
何か問題がありそうですか?あまり分かりませんよね。
初めてじっくり見たわけですから変化に気がつく事が出来なくて当然です。
まず興味を持ってください。変化に気がつく事ができるようになって下さい。
そこから初めてみませんか。よく分からなければ「歯医者さん」で相談してください。
気軽に相談に乗ってくれる歯医者さんは「良い歯医者さん」だと思います。
(ASA東浜田山「わが町の医療通信」2004年 8月掲載)