杉原歯科クリニック:京王線「八幡山駅」から徒歩30秒!杉並区上高井戸の歯科クリニック

●第2回「もし、歯が半分だけになってしまったら・・・」

前回、あなたの歯を守るために「歯に興味を持って下さい、鏡で見てご自分の口の中に歯が何本あるか数えてみてください」と書きました。

実際に数えてみましたか?成人であれば28本(親知らずを除く)が基本です。

鏡で見るのが面倒なら舌で探ってみてください、これを読みながらでもできます。数えるついでにちょっと注意深く舌を動かしてみましょう。何か感じませんか?

「ザラザラする」
「歯と歯の間が大きく開いて舌が入り込む」
「逆に歯と歯の間がふさがって境目が分からない」
「歯がくぼんでいる」

・・・などが感じられたら要注意です。

それはさておき、貴方の口の中には何本か「歯がある」ことに気付きましたか?(総入れ歯の方はごめんなさい)痛いとか歯がしみる等の自覚症状がなければ、「歯が存在することすら忘れている」のが普通です。
「ああ、今日も歯があって良かった」と毎日感謝している人はあまりいません。
普通のことであると同時にそれはとても幸せなことです。
一生忘れていられれば最大の幸福であり、歯科医療の理想です。
ところが現実にはそうは行きません。問題が起こって初めて気がつくことが多いのです。

それでは、歯を失うことでどんな問題が生じるでしょう?
いったい歯にはどんな役割があるのでしょう?
ちょっと嫌な想像ですが・・・

「もし、今ある歯が半分になってしまったら」

・・・と考えて「歯の役割」を挙げてみましょう。

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あなたは、ある朝目が覚めたら痛くもないのに歯が半分無くなっていました。
びっくりして飛び起き、家族に「ひゃいふぇん、ふぁがなふなっら!」
あなたは「大変、歯が無くなった!」と言ったつもりだった・・・
<<歯の役割・:発音>>
歯が無くなると発音が不明瞭になります。特にサ行、タ行、ラ行は影響を受けやすいようです。

痛みは無いので、空腹だったあなたは朝食を食べますが、ちゃんと噛めません・・・
<<歯の役割・:咀嚼>>
「そしゃく」と読みます。食物を小さく噛み砕き飲み込むことができるサイズにします。最も大切な役割です。

大好きなサラダも美味しくありません・・・
<<歯の役割・:感覚器官>>
いわゆる噛み応えを感じることです。美味しさは、舌で感じる味だけでなく歯で感じる食感も重要です。歯の根の周りの神経がこれを感じる器官です。非常に敏感で、髪の毛1本まで識別できます。入れ歯では、噛めても食感までは感じられません。そのため美味しくないだけでなく、食物に混入した異物を感じられず、そのまま飲み込むことがあり危険でもあります。

いつもより食事に時間が掛かったため、急いで仕事に向かいます。
歯医者に行きたいのですが、今日は大事な会議があるので遅刻できません。
会議の資料を入れた重い鞄を持っていますが、どうも力が入りません。
<<歯の役割・:姿勢の安定>>
歯を噛み合わせることで首の骨、頚椎を安定させると言われています。噛み合わせが悪いと姿勢が安定せず、力も入りません。

なんとか会議に間に合いましたが、発音も不明瞭でうまくプレゼンができませんでした。
会議の後、上司に呼ばれて注意されました。
嫌な上司の小言ですが、いつもは歯を食いしばって我慢・・・食いしばれない!
<<歯の役割・:ストレス解消>>
肉体的、精神的にストレスを受けた場合、歯を食いしばることでストレスを解消しようとします。実験的にネズミにストレスを加えると、歯のあるネズミより歯の無いネズミの方がストレス性の胃潰瘍になりやすいそうです。

やっと上司から開放されたあなた。
落ち込んでいる姿を見て憧れの彼女が優しく慰めてくれました。
そんな心遣いにあなたは笑顔でニッコリ?したのですが・・・
<<歯の役割・:コミュニケーション>>
人と人のコミュニケーションで言語の果たす役割は30%ぐらいで、残りの70%は表情や身振りだそうです。表情で重要なのは笑顔です。魅力的な笑顔は歯がないと・・・

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極端な例ですが、食べる以外にも歯は重要な役割を果たしています。
たまには「歯がある」ことを思い出してやってください。

(ASA東浜田山「わが町の医療通信」2004年 9月掲載)